卓球のメモ帳

練習で学んだことを体系的に整理するブログ

【理論】ボールの動きをベクトルから考える

ベクトルとは

ベクトルとは大きさと向きを持つ量のこと。

大きさとは運動量を指し、向きとは運動が働く方向のことを言う。

電車で例えるなら、走っている時はその進行方向に大きいベクトルが働いており、ブレーキを効かせるとそのベクトルは小さくなる。(細かく述べると間違っているかもしれないが大まかにはこんな感じ)

ベクトルは俗に矢印で表されることが多い。矢印の向きが運動の方向で、矢印の長さが運動量。

卓球のボールの動きはこのベクトルをベースに考えていく。

 

 

ボールの動きについて

卓球は打ったボールを相手のコートに入れるスポーツである。

それゆえに打った瞬間のボールのベクトルは非常に重要であると考えられる。

上から相手のコース方向へ、大きな下向きのベクトルを作れればスマッシュ。

ネットと同じ高さから、地面と並行方向に程よい大きさのベクトルを作ればツッツキもしくは回転によって流しやフリックにもなりうる。

 

卓球において、一般的にラケットに当たった際のボールの動きを定義するもの

  • 飛んできたボールの回転、速さ
  • ボールに対するラケットの動かし方

に区別されることが多いように思われる。

これにもう一点付け加えるなら、

  • ボールがラケットに当たる瞬間のボールの進行方向

が重要である。

 

上記をベクトルベースで考えてみる。

例を取ってドライブに対するブロックで説明する。

ドライブはの回転が強ければ、ラケットに当たった時のボールのベクトルは上向きかつ矢印は大きくなる。

ドライブが速ければ、ラケットに当たった時のボールのベクトルは大きくなる。

ブロック時のラケットを前向きに動かせば、打ったボールのベクトルはラケットを動かさなかった場合と比べるとより前向きかつ大きくなる。(カウンター)

ブロック時のラケットを下向きに動かせば、打ったボールのベクトルはもちろん下向きになる。(カットブロック)

バウンド直後にブロックすると、打つ前のボールは頂点でブロックした場合と比べて上向きのベクトルが強く働いているため、同じラケット角度で当てた場合(ボールに対してではない)打った後のボールはより上向きのベクトルとなる。

 

最後の例は少し解釈が難しいところがあるかもしれないが、下回転に対するトライブを試しにバウンド直後で打ってみると体感しやすいのではなかろうか。

 

 

ベクトルで考える理由

何故こんな回りくどい解釈をしているかというと、周りくどくても答えを見つけやすくなるからである。

上のブロックの例だと、一般的にはボールのところに足を動かしてラケットを動かさないという指導がなされることが多いが、ナックルドライブや横回転が入ったドライブでも同じように対応できるだろうか。実際試合になった時に足が一歩出ずそれでもブロックを少しでも安定させるにはどうすればいいのだろうか。

このような問題を一元的に解決できるのがベクトルベースの考え方である。

そのため一般的に指導されるような、どのようにラケットを動かすのか、ひいては体を動かすのかは二次的な問題であると考える。つまり安定してこのようなベクトルを持ったボールを送りたいからこういう動きをするべきだ、と教えるのが理には適っていると思われる。

しかし実際は指導を受ける側の人間の理解度によってしまうため、ベクトルベースの考え方は最善とは思われるが最適かと言われると難しいところである。